神戸の「第三突堤」と聞いて、どこにあるのか、今は何に使われているのか分からない方も多いのではないでしょうか。神戸港には似た名前の突堤が複数あり、古い地図では番号の付け方も現在と異なるため、調べるほど分かりにくくなりやすい場所です。
現在、一般に神戸の第三突堤として検索される場所は、中央区新港町にある新港第3突堤です。神戸三宮フェリーターミナルが置かれ、四国方面や宮崎方面へ向かうフェリーの発着拠点として使われています。ここでは、現在の役割、アクセス、施設、歴史、周辺再開発との違いまで整理します。
第三突堤は現在、神戸三宮フェリーターミナルがある新港第3突堤

結論からいうと、神戸の第三突堤は現在も現役の港湾施設です。観光用の広場に変わった場所ではなく、フェリーの発着と港湾物流を担うエリアとして使われています。住所で見ると神戸市中央区新港町にあり、三宮の中心部から海側へ進んだウォーターフロントの一角です。
新港第3突堤の中心施設は神戸三宮フェリーターミナル
新港第3突堤で一般の人に最も関係が深い施設が、神戸三宮フェリーターミナルです。所在地は神戸市中央区新港町3-7で、神戸市の案内でも新港第3突堤にある旅客施設として掲載されています。現在のターミナルは2014年9月に供用が始まり、三宮に近いフェリー乗り場として定着しました。
このターミナルは1社だけの専用施設ではありません。ジャンボフェリーと宮崎カーフェリーが共用しており、四国方面へ向かう人も、宮崎へ向かう人も同じ建物を利用します。初めて行く場合は「第3突堤」を探すより、「神戸三宮フェリーターミナル」を目的地に設定したほうが分かりやすいでしょう。
観光地というより「交通と港湾機能の場所」と考えると分かりやすい
神戸港のウォーターフロントには、メリケンパークや新港第2突堤のTOTTEIなど、散策や飲食を目的に訪れやすい場所が増えています。そのため、第三突堤も同じような観光エリアだと思われがちですが、性格は少し違います。
神戸観光局の港案内では、新港第3突堤はフェリーと在来貨物船の係留施設として紹介されています。つまり、一般客が利用するフェリーターミナルと、港としての実務的な機能が共存している場所です。「第三突堤へ遊びに行く」というより、「フェリーを利用する、港の景色を見るために公開スペースを使う」という理解が実態に近いです。
「兵庫第3突堤」とは別の場所なので注意
神戸港には、中央区新港町の「新港第3突堤」と、兵庫区側に歴史上「兵庫第3突堤」と呼ばれた場所があります。兵庫第3突堤は1958年に着工し、1965年に完成した別の港湾施設で、その後の再開発で兵庫ふ頭の一部として姿を変えています。
フェリー、三宮、ジャンボフェリー、宮崎カーフェリーといった言葉と一緒に「第三突堤」を探している場合は、新港第3突堤のことと考えて問題ありません。古い資料や地名検索では別の第三突堤が出ることがあるため、所在地まで確認すると混同を避けられます。
第三突堤から利用できるフェリーは四国方面と宮崎方面

現在の新港第3突堤が身近に感じられる最大の理由は、ここから定期フェリーが出ていることです。神戸市のフェリーターミナル案内では、神戸三宮フェリーターミナルから四国方面と宮崎方面への航路が案内されています。
ジャンボフェリーは高松・小豆島方面へ運航
ジャンボフェリーは、神戸と高松、小豆島の坂手港を結ぶ航路を運航しています。便によって寄港順序や時刻が異なり、平日と土休日でもダイヤが変わります。夜行便も設定されるため、観光だけでなく、車やバイクを伴う移動、夜間の長距離移動にも使いやすい航路です。
神戸側の乗り場は神戸三宮フェリーターミナルです。発券窓口は基本的に出港前に開き、待合室も早朝から深夜まで利用できます。時刻は定期点検や運航状況によって変わることがあるため、乗船日はジャンボフェリー公式の神戸のりば案内で確認するのが安心です。
宮崎カーフェリーは神戸と宮崎を毎日結ぶ
宮崎カーフェリーは、神戸三宮フェリーターミナルと宮崎港を結んでいます。2026年度の運航案内では、宮崎発・神戸発とも基本的に毎日運航するダイヤが組まれており、神戸発は月曜から土曜と日曜で出港時刻が異なります。
夕方から夜に神戸を出て、翌朝に宮崎へ到着する流れなので、寝ている間に九州へ移動できるのが特徴です。乗用車や二輪車と一緒に乗船できるため、宮崎到着後にそのまま観光や帰省へ向かいたい人にも向いています。最新の時刻や運休日は宮崎カーフェリー公式の運航ダイヤで確認してください。
同じターミナルを2社が使うので、乗船会社の確認が大切
ジャンボフェリーと宮崎カーフェリーは同じ神戸三宮フェリーターミナルを利用します。タクシーで向かう際に行き先を確認されることがありますが、建物自体は共通です。ただし、発券手続きや集合時刻、車両の待機場所は会社や便によって異なります。
車で乗船する場合は特に、一般の来館者用駐車場へ入る感覚で行くのではなく、利用するフェリー会社の案内に従う必要があります。乗船時刻ぎりぎりになると、車両手続きの締め切りに間に合わない可能性もあります。予約確認画面や公式案内に記載された集合時刻を基準に動くのが安全です。
| 航路 | 主な行き先 | 神戸側の乗り場 |
|---|---|---|
| ジャンボフェリー | 高松・小豆島(坂手) | 神戸三宮フェリーターミナル |
| 宮崎カーフェリー | 宮崎港 | 神戸三宮フェリーターミナル |
第三突堤へのアクセスは三宮から徒歩・連絡バス・車が基本

新港第3突堤は「三宮フェリーターミナル」という名前の通り、都心から比較的近い場所にあります。ただし、JRや阪急、阪神の三宮駅に隣接しているわけではありません。荷物の量、出発時刻、天候によって移動方法を選ぶのがおすすめです。
徒歩なら三宮駅から約1.7km、20〜30分が目安
ジャンボフェリーの案内では、JR三ノ宮駅や阪急・阪神の神戸三宮駅からターミナルまで約1.7km、徒歩20〜30分が目安とされています。大きな荷物がなければ歩ける距離ですが、夏の暑い日や雨の日、キャリーケースがある場合は想像以上に負担になりやすいでしょう。
なお、2026年4月1日から2027年10月にかけて、神戸市役所周辺の再整備工事に伴い歩道の一部が通行止めとなる案内が出ています。工事状況によって歩きやすい経路が変わる可能性があるため、徒歩利用では当日の地図と公式案内を確認したほうが安心です。
連絡バスなら三宮から約10分
フェリーの発着に合わせ、三宮駅から神戸三宮フェリーターミナルへ向かう有料の連絡バスがあります。ジャンボフェリーの2026年時点の案内では所要時間は約10分、運賃は230円で、交通系ICカードや現金に対応しています。
荷物が多い人や夜間・早朝便を利用する人にとって、連絡バスは使いやすい選択肢です。ただし、フェリーの定期点検や臨時ダイヤに伴ってバス側の時刻も変わることがあります。「普段の時刻表」ではなく、乗る日のフェリーに接続する便を確認することが大切です。
車で行けるが、一般利用者向けの無料駐車場はない
車で新港第3突堤へ向かう場合、阪神高速3号神戸線の京橋出口からアクセスしやすい立地です。ただし、神戸三宮フェリーターミナルには一般の来館者が無料で長時間停められる駐車場はありません。ジャンボフェリーと宮崎カーフェリーの双方が、近隣の有料駐車場利用を案内しています。
送迎だけなのか、フェリーに車ごと乗るのか、車を神戸側に置いて人だけ乗船するのかで動き方は大きく変わります。人だけ乗る場合は周辺駐車場の最大料金や入出庫時間を確認し、車両乗船の場合はフェリー会社が指定する車両受付へ直接進んでください。
第三突堤で利用できる施設と見学・釣りの注意点

第三突堤は実用的なフェリー乗り場ですが、乗船までの時間を過ごすための設備も用意されています。豪華な商業施設ではないものの、早朝や深夜の便を待つ利用者に必要な機能はひと通りそろっています。
待合室は早朝から深夜まで利用できる
神戸市のバリアフリー情報では、神戸三宮フェリーターミナルの開館時間は4時30分から25時00分、休館日はなしとされています。ジャンボフェリーの案内でも待合室は4時30分から25時00分です。深夜便や早朝到着便があるフェリーターミナルらしい運用といえます。
ただし、発券窓口が一日中開いているわけではありません。フェリー会社ごとに窓口の開始時刻が設定されているため、かなり早く着いた場合でもすぐに乗船手続きができるとは限りません。待合室の開館時間と、自分が利用する便の受付時間は分けて確認しましょう。
コインロッカー、Wi-Fi、充電設備、授乳室などを利用できる
ジャンボフェリーのターミナル案内では、コインロッカー、自動販売機、バリアフリートイレ、授乳室・おむつ替え台、KOBE Free Wi-Fi、充電コーナーなどが案内されています。充電コーナーはUSB Type-A給電とされているため、USB-C端子しか使わない人は必要に応じてケーブルや変換機器を準備しておくと安心です。
神戸市のバリアフリー情報では、エレベーター、視覚障害者誘導用ブロック、オストメイト対応トイレ、AED、車いす貸し出しなども確認できます。乳幼児連れや高齢者と一緒の移動でも、最低限の設備を確認してから利用しやすい施設です。
展望デッキから港らしい景色を楽しめる
ターミナルには展望デッキがあり、フェリーの発着や神戸港らしい景色を感じられます。第三突堤は観光公園ではありませんが、港へ来た実感を得やすい場所です。特に船の入出港に興味がある人なら、乗船前後の時間も楽しみやすいでしょう。
一方、岸壁や車両動線は作業場所でもあります。フェリーの積み込みや大型車の移動が行われるため、写真撮影や見学を理由に立入禁止エリアへ入るのは避ける必要があります。景色を楽しむなら、ターミナルの展望デッキなど一般に開放された場所を使うのが基本です。
釣りや夜景目的でも、岸壁への立ち入りは古い情報だけで判断しない
インターネット上には、新港第3突堤を夜景スポットや釣り場所として紹介する古い記事も残っています。ただし、現在の第三突堤はフェリーと在来貨物船が使う現役の港湾施設です。過去に入れた場所が、現在も同じ条件で利用できるとは限りません。
港では船の入出港、車両の誘導、荷役などが行われます。待合室や展望デッキは利用できますが、突堤の先端や岸壁沿いまで自由に歩けると考えないほうが安全です。夜景を見る場合も、公開されている場所を使い、柵や立入禁止表示、係員の案内を優先してください。
第三突堤周辺で釣りができるという情報を見かけても、掲載時期の確認が必要です。港湾施設は工事、船舶運用、安全対策などによって立入範囲が変わります。現在の公式案内では、神戸三宮フェリーターミナルを釣り施設として案内しているわけではありません。
そのため、釣行先として第三突堤を選ぶなら「以前釣れた」という記事だけで判断せず、現地表示や港湾管理者の案内を優先してください。釣りを目的に確実に出かけたい場合は、釣り利用が明確に認められている場所を選ぶほうが予定を立てやすいです。
第三突堤の歴史を知ると「昔の第3突堤」と番号が合わない理由が分かる

神戸の第三突堤を調べると、「1914年に第3突堤が完成した」という資料と、「現在の新港第3突堤は1920年に完成した」という説明が出てきます。これは誤記ではなく、1931年に突堤の番号が付け替えられたことが理由です。
現在の新港第3突堤は、建設当時は「第2突堤」だった
神戸港の近代化に向けた修築工事では、明治末から大正期にかけて新港突堤が整備されました。神戸市の歴史資料では、当時の第2突堤が1920年9月に竣工したと記録されています。そして、この当時の第2突堤が現在の新港第3突堤に当たります。
一方、1914年9月に竣工した当時の「第3突堤」は、現在の新港第2突堤です。古い写真や年表を見るときは、当時の番号と現在の番号をそのまま対応させないことが重要です。
1931年に番号の数え方が東から西へではなく、西から東へ変わった
神戸開港150年の公式年表では、1931年10月に突堤の名称が変更され、従来の第4突堤が新港第1突堤となり、そこから西側を起点に新港第2、第3、第4突堤と呼ぶ形へ改称されたことが記録されています。同年には新港第5突堤も竣工しています。
この変更を知っておくと、昔の地図で現在とは逆方向に番号が並んでいる理由が分かります。歴史散策で古地図を見る場合や、昔の船が「第3突堤から出港した」という記録を読む場合は、その時代の名称を確認する必要があります。
現在の新港第3突堤=建設当初の第2突堤です。1931年10月の名称変更によって、現在の番号になりました。
フェリー拠点としての現在の姿は、港の役割が変化してきた結果
新港突堤は、もともと大型船の係留や貨物輸送を支える近代港湾設備として整備されました。その後、コンテナ化や港湾機能の再編により、神戸港の物流拠点はポートアイランドや六甲アイランドなどにも広がっています。
新港第3突堤では、1999年に神戸フェリーセンターが本社を移し、2014年には現在の神戸三宮フェリーターミナルが供用開始となりました。100年以上の歴史を持つ突堤が、現在は都市部に近いフェリー拠点として使われている点に、神戸港の変化が表れています。
第三突堤は周辺再開発の中でも、今のところフェリー機能が中心

神戸のウォーターフロントでは近年、大きな再開発が続いています。神戸ポートタワーのリニューアル、新港第2突堤のアリーナ開業など、海辺を歩いて楽しめる場所が増えているため、「第三突堤も近いうちに観光施設になるのでは」と感じる方もいるでしょう。
徒歩で周辺を見るなら、第三突堤そのものと周辺再開発を分けて考える
海辺の散策を目的に神戸港へ出かける場合、第三突堤だけを目的地にするより、周辺のウォーターフロントと役割の違いを理解しておくと満足しやすくなります。新港第2突堤には2025年4月にGLION ARENA KOBEを含むTOTTEIが開業し、人が滞在して楽しむエリアとして整備が進みました。
それに対して新港第3突堤は、現在もフェリーを中心とした交通拠点です。隣り合う突堤でも用途が大きく異なることが、神戸港の面白いところです。散策や飲食を主目的にするなら第1・第2突堤側、船に乗る、フェリーを見るといった目的なら第3突堤側という分け方が分かりやすいでしょう。
第1・第2突堤と第3突堤では現在の役割が違う
神戸観光局の現在の案内では、第1突堤には複合施設、第2突堤にはTOTTEI、第3突堤にはフェリーおよび在来貨物船、第4突堤には外航客船や国際フェリーという役割が示されています。隣接する突堤がすべて同じ方向へ再開発されているわけではありません。
そのため、第三突堤へ行くときに「第2突堤のような商業・イベント空間」を想像すると印象が違う可能性があります。反対に、フェリーの乗降や港の働く雰囲気を感じたい人にとっては、第三突堤ならではの魅力があります。
2040年頃を見据えたウォーターフロント再整備は進行中
神戸市は2025年に「神戸ウォーターフロントグランドデザイン」を策定し、概ね2040年頃までを見据えて、中突堤周辺、京橋、新港突堤西地区などの再整備方針を示しています。新港突堤西地区では、海辺の滞在空間や民間投資を含むまちづくりが進められる方向です。
ただし、現時点の公式な港案内では、新港第3突堤は引き続きフェリー・在来貨物船の利用施設として位置付けられています。将来の構想と、現在すぐ利用できる施設を混同しないことが大切です。最新の再開発情報は神戸市の神戸ウォーターフロントグランドデザインで確認できます。
第三突堤へ行く目的を決めると、移動方法も選びやすい
フェリー乗船が目的なら、出港時刻に合わせた連絡バスかタクシーが便利です。見送りや船の見学であれば、ターミナルの開館時間や展望デッキを活用しやすいでしょう。歴史目的なら、古い突堤番号が現在と異なる点を知っておくと資料を読み解きやすくなります。
逆に、飲食やイベントを中心に海辺で長時間過ごしたい場合は、周辺の再開発エリアと組み合わせるほうが向いています。第三突堤は「何でもある観光地」ではなく、現在もフェリーが発着する港として見ると、場所の性格が理解しやすくなります。
第三突堤は現在もフェリーが発着する神戸港の現役拠点
神戸の第三突堤は、中央区新港町にある新港第3突堤を指し、現在は神戸三宮フェリーターミナルを中心とする港湾施設として使われています。ジャンボフェリーで高松・小豆島方面へ、宮崎カーフェリーで宮崎方面へ向かうことができます。
三宮からは徒歩でも行けますが、荷物が多い場合は約10分の連絡バスが便利です。一般向けの無料駐車場はないため、車を置いて乗船する場合は周辺の有料駐車場を確認しておきましょう。
また、現在の新港第3突堤は建設当初の第2突堤で、1931年の名称変更によって今の番号になったという歴史があります。観光用の広場ではなく現役の港であることを踏まえ、乗船・見学では公開スペースと現地の案内を守って利用するのが安心です。



