「神戸旧居留地91番館」は、以前この場所にあった神戸銀行協会ビルの名前を受け継ぎ、2025年4月に完成した新しいオフィス・店舗複合ビルです。昔のレトロな建物を思い浮かべて検索すると、「今も見学できるのか」「何のお店が入っているのか」「旧神戸銀行協会ビルは残っているのか」と迷いやすい場所でもあります。
現在は1階にフレンチレストラン「onomatope(オノマトペ)」が営業し、上層階にはアシックスジャパンの関西オフィスや一般社団法人神戸銀行協会などが入居しています。この記事では、2026年時点の施設状況、旧建物との関係、建築の特徴、アクセス、観光で立ち寄る際の注意点までわかりやすく整理します。
神戸旧居留地91番館の現在は?2025年完成のオフィス・店舗複合ビル

結論からいうと、神戸旧居留地91番館は観光施設として公開されている歴史館ではなく、1階に店舗、2~11階にオフィスが入る現役の複合ビルです。旧居留地の街歩きで外観を楽しむことはできますが、オフィスフロアへ自由に入って見学するタイプの施設ではありません。
2025年4月30日に完成、5月1日から供用開始
神戸市の発表によると、神戸旧居留地91番館は2025年4月30日に完成し、翌5月1日から供用が始まりました。所在地は神戸市中央区江戸町91番地で、地上11階・地下1階です。神戸土地建物の公式情報では、構造は鉄骨造、延べ床面積は7,793.1平方メートルとされています。
建物の用途はオフィスと店舗です。神戸市の資料では1階が店舗、2~11階が事務所と整理されており、機械式駐車場20台分も備えます。したがって、「旧居留地に新しい商業施設ができた」と考えるより、新しいオフィスビルに街へ開かれた店舗部分が加わった建物と考えるほうが実態に近いです。
場所は東遊園地の西側、旧居留地の江戸町筋沿い
神戸旧居留地91番館があるのは、旧居留地の東側にあたる江戸町筋周辺です。東遊園地や神戸市役所からも近く、三宮から旧居留地へ歩いて向かう途中に立ち寄りやすい位置にあります。
旧居留地は大丸神戸店周辺から海側へ広がる街区のイメージが強いですが、91番館はその中でも東寄りです。神戸市役所や東遊園地と組み合わせると場所を把握しやすく、海岸通方面へ歩く街歩きのスタート地点にも向いています。
観光目的なら「外観+1階店舗」を中心に考える
建物そのものはオフィス用途が中心です。そのため、観光客が内部を自由に回れる常設展示施設や展望フロアではありません。外観の建築デザインを見たり、1階の飲食店を予約して利用したりするのが一般的な楽しみ方です。
歴史ある旧居留地を歩くと、旧居留地十五番館や商船三井ビルディングなど古い建物が残っているため、91番館も歴史建築そのものに見えるかもしれません。しかし、実際には新築です。「昔の建物を見る場所」ではなく、「旧居留地らしい景観を新築ビルでどう受け継いだかを見る場所」という視点で見ると特徴がわかりやすくなります。
旧神戸銀行協会ビルはどうなった?91番館との関係

神戸旧居留地91番館を理解するうえで最も大切なのが、以前の神戸銀行協会ビルとの関係です。名前に歴史を感じますが、建物自体は建て替えられています。
旧神戸銀行協会ビルは1951年に建てられた
この場所には以前、1951年に建てられた神戸銀行協会ビルがありました。大理石の列柱、タイル張りの外壁、縦長の窓や丸窓などが特徴的な建物で、旧居留地の景観を形づくる存在の一つとして長く親しまれていました。
神戸土地建物は、旧ビルが70年以上にわたり地元経済界の交流の場として使われてきたと説明しています。神戸銀行協会は戦後の1945年に社団法人として再発足しており、旧ビルは銀行業界の交流や業務を支える拠点でもありました。
2023年に旧建物を解体して建て替え
旧神戸銀行協会ビルは老朽化に伴う建て替え計画により、2023年に解体が進められました。その後、同じ江戸町91番地で新しいオフィスビルの建設が進み、2025年春に神戸旧居留地91番館として完成しています。
ここで混同しやすいのは、「旧建物を改修して91番館になった」という理解です。実際には建物は新しくなっているため、昔の神戸銀行協会ビルの内部や外壁がそのまま残っているわけではありません。ただし、新しい建物は以前の建物や旧居留地の雰囲気を意識したデザインが採用されています。
名前の「91」は住所の江戸町91番地から
「91番館」という名称は、所在地である江戸町91番地と結び付いたものです。神戸の旧居留地には「旧居留地十五番館」のように居留地時代の番地を冠した歴史建築もあるため、同じ種類の建物と思いやすいのですが、91番館は2025年竣工の新しいビルです。
つまり、名称に「旧居留地」と「番館」が入っていても、明治・大正期の建物という意味ではありません。住所と土地の記憶を名称に取り込み、旧居留地に新しく加わった建物と捉えるのが正確です。
神戸旧居留地91番館には何がある?確認できる主なテナント

「中には何が入っているの?」という疑問は検索する人が特に気になるポイントです。すべての入居企業が一般向けに一覧公開されているわけではありませんが、公式情報で確認できる主なテナントがあります。
1階はフレンチレストラン「onomatope」
一般の人が利用しやすい施設としては、1階のフレンチレストラン「onomatope(オノマトペ)」があります。運営会社ポトマックの公式情報によると、2025年9月1日にオープンしました。神戸・旧居留地で食事を目的に91番館を訪れたい人にとって、もっともわかりやすい利用先です。
営業時間はランチ12:00~15:00、ディナー17:30~22:00で、公式案内では日曜定休です。予約受付のルールも設定されているため、特に食事が目的なら当日の飛び込み利用を前提にせず、onomatope公式ページで最新の営業日と予約状況を確認しておくほうが安心です。
高価格帯のコース料理を中心とするレストランなので、旧居留地散策の途中で気軽に休憩するカフェとは性格が異なります。「建物に入ってみたい」という理由だけで訪れるより、食事そのものを目的に予約する店と考えるのがよいでしょう。
アシックスジャパンの関西オフィスが入居
アシックスの公式情報では、アシックスジャパン株式会社の関西オフィスが神戸旧居留地91番館に置かれています。移転発表時の資料では6~7階への入居が示され、神戸市は2025年6月9日に関西オフィスで事業を開始したと発表しました。
ただし、ここは一般向けのアシックスショップではありません。商品を買える直営店と混同しないようにしましょう。会社のオフィスなので、買い物目的で訪れる場所ではない点が重要です。
神戸銀行協会は9階で業務を継続
建て替え前からこの土地と関係が深い一般社団法人神戸銀行協会も、新しい91番館へ戻っています。協会の公式サイトでは所在地を「神戸旧居留地91番館9階」と案内しています。
銀行取引に関する相談窓口などの業務を行っていますが、観光向けの展示施設ではありません。旧神戸銀行協会ビルの歴史に興味があっても、9階を自由に見学できるわけではないため注意が必要です。
| 場所 | 確認できる主な用途・入居先 | 一般利用の考え方 |
|---|---|---|
| 1階 | 店舗、フレンチ「onomatope」 | レストランは一般利用可。予約・営業日確認がおすすめ |
| 6~7階 | アシックスジャパン関西オフィス | 会社オフィス。ショップではない |
| 9階 | 一般社団法人神戸銀行協会 | 業務施設。観光目的の自由見学施設ではない |
| その他 | オフィス | 原則として入居者・訪問者向け |
建築の見どころは?旧居留地らしさと新しさを両立

神戸旧居留地91番館は、単に新しいオフィスビルというだけではなく、歴史ある街並みとの調和を意識して設計されています。2026年には第5回神戸市都市デザイン賞の建築デザイン部門を受賞しており、街歩きで建築を見る人にも注目しやすい建物です。
低層部と上層部で表情が変わる外観
神戸土地建物によると、1~5階の低層部は表情のあるタイルとコンクリート床のはね出しを使い、陰影のある外観に仕上げています。設計は安井建築設計事務所、施工は鹿島建設です。
6~11階は外壁パネルとガラスを連続させ、低層部より軽い印象にまとめています。下側は旧居留地の街並みに寄り添い、上側は現代のオフィスビルらしい表情を出す構成です。建物全体を少し離れた場所から見ると、この上下の違いがわかりやすいです。
旧建物をコピーせず、デザインの記憶を引き継いでいる
旧神戸銀行協会ビルをそのまま再現した建物ではありません。だからこそ「前の建物と違う」と感じる人もいるでしょう。ただ、新ビルの低層部にはタイルや縦方向を意識した外観など、周辺の歴史的な街並みとつながる要素が使われています。
これは古い建物を保存する方法とは別の考え方です。現物保存ではなく、新築ビルに以前の場所の記憶や街並みのスケール感を取り込んでいます。旧建物を知る人と、初めて訪れる人で見え方が変わるのも91番館のおもしろい点です。
ZEB ReadyとCASBEE神戸Sランクを取得
環境性能も特徴です。神戸土地建物の公式情報では、91番館は「ZEB Ready」認証を取得し、「CASBEE神戸」でSランクを達成しています。
ZEB Readyは、建物の断熱性能向上や高効率設備などにより、再生可能エネルギーを除いた基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減に適合した建築物です。CASBEE神戸は、環境負荷だけではなく、まちなみ・景観、耐震性、バリアフリー計画なども重視して評価します。
旧居留地は「見た目の歴史性」が注目されやすい場所ですが、91番館は新築だからこそ省エネ性能や働きやすさを盛り込めています。景観への配慮と現代の性能を同時に求めた点が、この建物の性格を理解するうえで重要です。
2026年に神戸市都市デザイン賞を受賞
神戸市の公式発信では、神戸旧居留地91番館は第5回神戸市都市デザイン賞の建築デザイン部門受賞作として紹介されています。古い建物が多い旧居留地で、新築ビルがどのように街並みに加わるかという点でも評価された建物といえます。
観光で見に行く場合、正面だけでなく、低層部のタイル、上層部のセットバック、角の曲線やガラスの使い方などを少し離れて眺めると印象がつかみやすいです。周辺の既存建築と見比べると、新旧のデザインの違いも楽しめます。
神戸旧居留地91番館へのアクセスと駐車場

91番館は三宮から徒歩圏内にあり、電車で訪れるならアクセスしやすい場所です。旧居留地散策と組み合わせる場合も、駅から歩くルートがわかりやすいです。
三ノ宮・神戸三宮駅から徒歩約8分
神戸土地建物の公式情報では、JR神戸線三ノ宮駅、阪急・阪神の神戸三宮駅から徒歩8分です。駅からフラワーロードを南へ進み、神戸市役所・東遊園地方面へ向かったあと、西側の旧居留地へ入るイメージです。
地下鉄海岸線の三宮・花時計前駅も利用しやすく、神戸銀行協会は三宮駅や花時計前駅から徒歩約7分と案内しています。どの駅を使う場合でも、東遊園地や神戸市役所を目印にすると迷いにくいです。
車の場合は「ビルに20台ある=一般観光客向け駐車場」ではない
91番館には機械式駐車場20台分があります。ただし、建物の設備としての駐車場であり、旧居留地を歩く一般観光客が自由に使える時間貸し駐車場と考えるのは避けたほうがよいです。
特に1階のonomatopeは公式店舗情報で専用駐車場を案内していません。食事や観光で車を使う場合は、旧居留地・三宮周辺の時間貸し駐車場を別に確保しておくほうが安全です。
周辺は徒歩でまとめて回りやすい
91番館の東側には東遊園地、北東側には神戸市役所があり、西へ進めば旧居留地の歴史建築やブランドショップが集まるエリアへ入ります。さらに南へ歩けば海岸通方面へつながります。
そのため、91番館だけを目的地にするより、旧居留地の街並みを歩く途中の一つとして組み込むと満足しやすいです。建築目的なら午前から昼の明るい時間帯、街の雰囲気を楽しみたいなら夕方以降も向いています。
観光・食事で訪れる前に知っておきたい注意点

神戸旧居留地91番館は、名前だけを見ると歴史資料館や商業施設にも思えますが、実際はオフィス中心のビルです。利用目的をはっきりさせておくと、現地で「思っていた場所と違った」と感じにくくなります。
館内を自由に見学できる観光施設ではない
もっとも大切なのは、オフィスフロアを観光目的で自由に回らないことです。イベントなどで見学会が実施された実績はありますが、常時公開されているわけではありません。
外観を見る、公開されている店舗を利用する、訪問先の会社へ用事がある場合に受付方法に従って入館する、という使い分けが基本です。建築好きの人も、共用部へ無断で入り込むのではなく、公道や公開範囲から建物を楽しみましょう。
旧神戸銀行協会ビルの面影を期待しすぎない
昔の写真にある丸窓や大理石の列柱をそのまま見られるわけではありません。旧ビルの記憶は名称や建築デザインの考え方に引き継がれていますが、現物保存ではありません。
古い建物そのものを見たい場合は、旧居留地内の歴史的建築をあわせて回るとよいでしょう。91番館は「現代の旧居留地」を見る建物として位置づけると、期待とのズレが少なくなります。
レストラン利用は最新の営業情報を確認
onomatopeを目的に訪れるなら、営業時間や定休日、予約方法を事前に確認してください。飲食店の営業情報は変更されることがあり、貸切営業や臨時休業などが入る場合もあります。
特に旧居留地散策の途中で「空いていたら入ろう」と考えるより、食事を予定の中心に置くなら予約しておくほうが確実です。高価格帯のコース料理店という性格も踏まえ、カフェ利用を想定している場合は周辺の別店舗も候補に入れておくと動きやすくなります。
91番館を楽しむなら、①外観の上下デザインを見る、②旧神戸銀行協会ビルの歴史を知る、③必要に応じて1階レストランを予約する、④東遊園地や旧居留地の歴史建築と一緒に歩く、という組み合わせが実用的です。
神戸旧居留地91番館は「新しい旧居留地」を見る建物
神戸旧居留地91番館は、1951年築の旧神戸銀行協会ビルを建て替え、2025年4月に完成した地上11階・地下1階のオフィス・店舗複合ビルです。1階にはフレンチレストランonomatope、上層階にはアシックスジャパン関西オフィスや神戸銀行協会などが入居しています。
昔の建物をそのまま保存した施設ではないため、歴史建築の内部見学を目的に訪れる場所ではありません。その代わり、旧居留地の景観を意識した低層部、現代的な上層部、高い環境性能など、新築だからこそ見られる特徴があります。2026年には神戸市都市デザイン賞の建築デザイン部門を受賞しており、街並みの新しい一部として見る価値があります。
観光なら「91番館だけを見る」より、東遊園地・神戸市役所・旧居留地の歴史建築と組み合わせて歩くのがおすすめです。 三宮駅から徒歩約8分なので、旧居留地散策の入口としても使いやすいでしょう。



